令和3年12月議会 建設委員会(歩道除雪について、空き家対策について、屋根雪下ろしの安全対策について、公共交通アンケートと路線バスの維持について)
2022.03.12
◆諏佐武史 委員 私からは、大きく4項目にわたって質問させていただきます。
まずは、歩道除雪について質問いたします。昨年度の冬は集中的な降雪となりまして、除雪が大変だったと思うのですが、その割に歩道除雪は大変よくやっていただいたのかなと認識しております。以前は、なかなか実施されず歩くのにも大変苦労した経験がございますので、歩道除雪について何点か質問いたします。
初めに、歩道除雪の出動判断は積雪10センチと認識しておりますが、具体的にどのように判断されているのか、また除雪を行う路線の選定をどのように決めているのか伺います。
◎石黒 道路管理課長 歩道の除雪判断基準につきましては、新たな雪が10センチ積もった場合に出動判断するとしております。なお、出動に際しましては、今後の気象予報や降雪状況等を考慮した上で判断しております。
次に、除雪路線の選定ですが、国・県・市が協力して歩道除雪に取り組むために策定いたしました雪みち計画に基づき選定を行っております。具体的には通学や通勤で利用する路線、教育施設や医療施設、文化施設などといった公共的な施設及び大勢の人が集まるような商業施設周辺の路線を選定して対処しております。
◆諏佐武史 委員 分かりました。
次に、昨年度は降雪が大変多かったのですが、歩道除雪の要望や苦情がどれぐらい寄せられたのかということと、その主な内容について伺います。
◎石黒 道路管理課長 昨年度の除雪全体に関する要望、苦情の件数は約1,200件です。そのうち歩道除雪に関するものは63件でありました。主な内容といたしましては、片側は除雪されているが、反対側の歩道も除雪してほしい、あと登校時間に除雪が終わっていないといった内容が多く寄せられました。
◆諏佐武史 委員 分かりました。歩道除雪の要望や苦情が全体の割合からすると少ないのは、しっかり除雪を行っていたからだと思います。
それでは、そのような要望や苦情に対して今年度はどのように除雪を行っていくのか、市の考えを伺います。
◎石黒 道路管理課長 まず、両側に歩道がある路線の除雪につきましては、歩道のネットワーク等を考慮いたしまして、効率的な除雪作業を行うため、基本的には片側除雪としておりますので、御理解いただきたいと思います。また、昨年度は、朝方からの降雪により、登校時間までに除雪が完了しない状況がありました。そのような場合は、早朝除雪から引き続き日中も除雪を行い、下校時間までに歩行者通路を確保するよう対応してまいります。市といたしましては、小まめなパトロールなどを実施し、状況把握に努め、歩道はもちろんですが、車道も併せて市民が安全・安心に通行できるよう除雪作業を行ってまいります。
◆諏佐武史 委員 今年度もしっかり除雪を行っていただきたいと思います。
次に、空き家対策についてであります。市政だより12月号の冬期間の空き家の適正管理についての記事や、10月に開催された空家・持家活用無料相談会のチラシを拝見しました。長岡市の空き家の状況は、昨年のまちづくり・新エネルギー対策特別委員会でも聞いておりますが、市の空き家の最新状況をまず伺います。
◎高頭 都市政策課長 本年に実施しております長岡市空家等対策計画の改定に併せまして実施いたしました空き家の実態調査で、水道が閉栓されているなど年間を通して使用されていないと見られる空き家は2,300戸ございます。こちらは、前回5年前の調査に比べまして157戸増加している状況になります。
◆諏佐武史 委員 2,300戸の空き家全てを適正に管理するのはなかなか難しいのかなと思うのですが、市では適正に管理されていない空き家について、どのように把握し、対応されておられるのでしょうか。
◎高頭 都市政策課長 管理不全の空き家については、地域や近隣者、隣接者の通報によって把握しているところでございます。管理不全の通報を受けた際には、直ちに現地を確認した上で所有者を調べ、個人資産でございますので、その方に適正な管理を求める書面を送付し、対応を求めております。ちなみに、今年4月から11月までの8か月間に約78棟に対して適正管理を促す文書を送付しておりまして、うち38棟につきましては反応や対応していただいているところです。なかなか対応いただけない物件もございますが、そういったものにつきましては継続的に現場を確認するとともに、対応を求める文書を繰り返し送付している状況でございます。
◆諏佐武史 委員 所有者を把握できる場合はいいのですが、私も市内の知り合いの方から所有者が亡くなって連絡不能となった空き家についての相談を受けました。こうした案件についてはどのように対応されるのでしょうか。
◎高頭 都市政策課長 平成27年に施行されました空家等対策の推進に関する特別措置法に基づきまして、現在空き家の所有者の調査には課税情報ですとかほかの自治体の協力を得られるようになっております。そういったことから、時間は要するのですが、ほとんどの場合、管理義務を負う所有者の特定ができるようになっております。ですので、空き家につきましては個人資産であるため、個人の管理が大原則ですので、市としてはその方に対応を求めることを考えております。ただ、今後は一層少子高齢化が進むということもございまして、管理不全の空き家が増加することも想定できることから、今年度改定を進めております空家等対策計画の中では、管理不全の空き家をそもそも発生させない取組の強化を進めるなど、管理不全の空き家への対策の推進を図りたいと考えているところです。
◆諏佐武史 委員 市政だより12月号の記事のように雪で空き家が倒壊する事態にならないように、適正に管理されない空き家への対応を引き続きお願いいたします。
次に、長岡市の屋根の雪下ろしの安全対策についてであります。冬季の雪下ろし作業につきましては、労働安全衛生法の法規が強化されるという話を聞いております。新潟県が屋根の雪下ろしの事故防止を呼びかけている中、市では今年度から命綱固定アンカーの設置補助を始めたようです。まず、制度化の趣旨と今年度の実施状況について伺います。
◎高頭 都市政策課長 この冬は、例年になく大雪でありましたので、屋根の雪下ろしの際の転落事故が県内でも多発しておりました。こうした不幸な事故を防ぎ、雪下ろし作業の安全性を推進するために、作業者が身につける安全ベルトの命綱を屋根等に固定する器具であるアンカーの設置を支援する制度として始めたものでございます。本年5月から11月までの受付期間で一般世帯の方が33件、要援護世帯の方が13件、合わせて46件に対しまして交付決定をしているところでございます。
◆諏佐武史 委員 市として、命綱固定アンカー設置補助金の課題などがあれば伺います。また、今後の取組について市の考えを伺います。
◎高頭 都市政策課長 このたび補助制度を創設したことによりまして、市民の安全対策の関心は高まっていると思いますが、設置件数につきましては先ほどお答えしたとおり46件ということで、さらなる普及が課題と捉えております。市のホームページや市政だより、建築協同組合とか民生委員の団体を通じての告知、あるいは民間の広報誌やラジオ、テレビなどで広くPRに努めておりましたので、受付期間の後半は前半の平均より約2倍の申請があるなど効果は上がってきていると思うのですが、アンカーの普及のためにはさらに認知度を高めていく必要があると考えております。例えば今年度における施工実績も、先ほど言ったように40件を超える施工実績が上がっておりますので、こういったことも活用した広報も検討しているところでございます。市といたしましては、雪下ろし不要の克雪住宅と併せまして、命綱固定アンカーの普及を図ることで冬季の安全対策を進めて、雪に強いまちづくりを進めたいと考えているところでございます。
◆諏佐武史 委員 よく分かりました。引き続き安全対策の普及に努めていただきたいと思います。
次に、公共交通アンケートと路線バスの維持について伺います。10月下旬に長岡駅のバスターミナルで公共交通に関するアンケートを配布したということですが、これは長岡市地域公共交通協議会が地域公共交通計画を策定するに当たって実施したものというふうに聞いております。行ったアンケートの目的と内容についてまず伺います。
◎植木 交通政策担当課長 アンケートの目的ですが、公共交通の利用状況ですとか改善の要望、あと市内外における人の動き、流動状況などを把握するために行ったものであります。そのうち長岡駅で配布したものにつきましては、実際に公共交通を利用されている方の意見を把握するためのもので、このほかにコミュニティバスやデマンド型乗り合いタクシーの利用者へも配布を行ったところであります。また、65歳以上の高齢者に対する郵送によるアンケートと市内の高校に通学する高校2年生全員を対象とするアンケートを実施いたしました。
◆諏佐武史 委員 分かりました。様々な方法でアンケートを実施されたようですが、アンケートの設問を作成するに当たってどのような課題認識を持っていたのか。または、考慮したことなどがあれば伺います。
◎植木 交通政策担当課長 まず、公共交通の利用者が減少しておりまして、需要に見合う効率的な運行形態が求められるという観点があります。そこで、移動に関するニーズを把握するために設問を決めたところであります。また、潜在的に公共交通を利用する可能性のある人がそれを利用しない原因を探るという点から設問を作成いたしました。
◆諏佐武史 委員 地域公共交通計画は、今年度と来年度の2か年で策定することになっていますが、今回のアンケート結果をどのような形で計画に反映していくのでしょうか。
◎植木 交通政策担当課長 公共交通の利用状況ですとか、市民の皆さんが考える問題点や改善の要望、市内外や地域間での人の動き、将来公共交通を利用する可能性などを把握して、それを踏まえた上で地域公共交通計画の策定につなげていく考えであります。
◆諏佐武史 委員 分かりました。
最後の質問ですが、現在は新型コロナウイルス禍ということもございまして、路線バスをはじめとした公共交通事業者は利用者が減少して大変苦しい状況に置かれていると思います。今回長岡駅で路線バスの利用者にアンケートを配布されたわけですが、路線バスは地域住民の移動手段として大変重要でございますので、市内の公共交通において中心的な役割を果たしていると思います。将来もバス路線を維持していくことが必要だと思いますが、現在策定の準備をしている地域公共交通計画における路線バス維持の考えについて、現時点で何か見通しがあれば最後にお伺いいたします。
◎植木 交通政策担当課長 地域住民の皆さんの通院や買物、通学などの移動の需要を踏まえまして、その上で公共交通を守っていくことは大変重要だと認識しております。ただ、その方法につきましては路線バスに限らないで、市内でありましたらコミュニティバスですとか、デマンド型乗り合いタクシーの運行も行われているところであります。したがって、住民のニーズに合った形での取組が大切であると考えております。例えば現在は路線バスが運行されている地域であっても、利用者が極端に少ないようなところもあります。その一方で、一定のニーズが今後見込まれる場合には、より小型のデマンド型乗り合いタクシーへ移行することも含めて検討していきます。地域公共交通計画につきましては、その枠組みを定める計画でありますので、今後しっかりと策定の作業を進めていきたいと考えております。
◆諏佐武史 委員 よく分かりました。今後も住民の需要に合った公共交通になるように取組を進めていっていただきたいということを意見させていただきまして、質問を終わります。