長岡市議会議員としての活動実績

令和2年3月議会 本会議 (官製談合事件について)

2020.04.06

諏佐武史でございます。通告したとおり、昨年発覚した官製談合事件について、一問一答方式にて質問いたします。

この事件については、昨年6月議会で関貴志議員が一般質問しており、また発覚から1年が経過しておりますが、いまだ謎多きこの事件の真相について市民の関心も高いため、その原因や背景などについて再度お伺いをするものであります。

改めて事件の概要について申し上げます。事件は、長岡市の幹部職員であった地域政策監兼土木部技監及び工事検査監が、県議会議員の秘書に対し秘密事項である公共工事の工事予定価格を漏えいしました。その県議秘書を通じ工事価格を知った会社が市発注工事を実際に落札するに至ったという入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律、いわゆる官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害によって逮捕された事件であります。

事件が発覚した当時私はまだ議員になっておりませんでしたので、一市民の立場として新聞報道等から事件後の流れを見ておりましたその市の事後対応には、疑問や違和感を覚えたものであります。昨年4月の市議会議員選挙前、選挙中にも、多くの方が関心を持たれている事件だということも感じてまいりましたまた、1年がたった今でも、多くの市民から真相解明を求める声を多くいただいております。特にここ最近でも、市行政、議会もこの事件について当事者意識が薄いのではないかという論調や声も多く上がっております。

事件を受け、議会の中でも行政監視機能強化検討特別委員会が設置され、また行政では再発防止のために第三者委員会も設置され、検討がなされましたそして、事件再発防止に対しての対策も講ぜられ、市民への信頼回復に努められているものと理解をしております。しかし、議会においても、第三者委員会によっても、実態解明の努力は行われていません。何よりも事件の実態、事実関係に基づいた対策でなければ、根本的な再発防止、信頼回復には至らないのではないかと考えます。

公共工事の発注者である市の職員からの漏えい防止として、今年の1月より変動型最低制限価格制度が試験的に導入されましたこの制度は事前に価格情報を持たないため、今回のような情報漏えいは起こり得ないとも考えられます。しかし、この変動型最低制限価格制度は、全国的に見ても1度試行されたり、本格的に導入されているところも多くありますが、課題も多く、廃止になったところも複数あります。この制度がいいか悪いかは別にして、入札制度は日々進化しており、今後いろいろなことが起こり得ると考えられます。あらゆる事態に円滑に対応するためにも、実態解明は不可欠なのだと考えます。

昨年6月議会で総務部長は、裁判によって全て明らかになったと答弁されていました確かに裁判によって一部明らかになった部分もあります。しかし、裁判の対象となった事件は下水道工事3件でしかなく、漏えい回数などの証言が逮捕者全員食い違うなど、不明な点も多々あります。こういった中で市として信頼回復のためにこれから頑張っていくといっても、説得力はないと考えます。言うまでもなく、この事件はこれまで積み重ねられた市政に対する市民の信頼を失墜させました。市長は昨年3月議会では、不正行為の根絶が市政の最重要課題であると強く認識しているとおっしゃっておられました確かに市として重く受け止めるべきと考えます。

裁判の中で検察は、県議の要望を受けて積算方法を変更したと説明されましたしかし、昨年6月議会、財務部長は、事件の発端となった積算方法変更の経緯について、市の独自判断によって変更したと答弁し、県議の影響については否定をされましたこの内容についても、相当な違和感や疑問が残ります。

この事件に関して、昨年夏以降、検察庁にて訴訟の開始から終結までの手続の記録や証拠書類、判決文などの捜査関係資料を含む裁判記録、以下確定記録と申し上げますが、これらの記録を刑事確定訴訟記録法の規定に従い、閲覧をしたり、ブラックボックス部分について情報公開を請求して積算の専門家に検証してもらうなど、様々な角度から独自に検証を重ねてまいりましたその結果として、市当局の答弁の内容と事件の当事者、関係者の供述とは食い違っている部分があり、市の調査内容に対しても疑問が残ります。

これも私が議員になる前の話ですが、長岡市議会でも昨年2月に官製談合事件の検証と再発防止を求める決議が可決されました関貴志議員も昨年6月の一般質問の際触れておられましたが、この決議の後段「このたびの事件を深刻に受け止め、事件の背景や事実を徹底的に検証し、このような不祥事が二度と繰り返されることのないよう万全の措置を講じることを求めます」と書かれており、全会一致で決議されておりましたこの決議にもあるように市として本当の意味で不正行為の根絶を目指すのであれば、実態に基づいた再発防止策でなければ意味はありません。失った信頼を一日でも早く回復するためにこの事件の総括として責任ある答弁を求めたいと思います。

ここまで申し上げたことに加えて、私どもの調査によって明らかになった部分を踏まえて、改めて本事件における市当局の見解を伺ってまいります。特に実態解明に対する考え方、事件の原因について、そして事件の原因となった設計図書の一部を非公表にした経緯について、以上3点に沿って質問をしてまいりたいと思います。

1 実態解明の必要性について

まず、実態解明の必要性に対する認識について伺います。市長は、昨年3月議会の答弁では、今後二度とこのようなことが起きないよう、不正行為を根絶するという断固たる決意を持って組織を挙げて再発防止に取り組むとおっしゃっておられましたまた、昨年6月議会で総務部長は、実態解明に取り組むべきであるという質問に対し、このたびの事件は裁判の中で背景や要因など実態が明らかにされたものと考えており、市としてはこれ以上の調査を行う考えがないと答弁されました先ほども申し上げましたように分かっている内容だけれども、漏えい回数は大きく食い違っていたり、裁判の中での証言がばらばらな部分も多いです。全然明らかになっていません。

ほかの自治体では、不祥事や問題が発覚した場合、再発防止だけでなく、事件の経緯等を含む細かい実態の解明に取り組んでおられます。国内の大きな会社や組織などでも、不祥事や問題が発覚した場合、事件の背景や経緯、具体的にどのように不祥事が行われていたのか、第三者委員会を立ち上げて実態解明に取り組まれています。例えばかんぽ生命の保険契約問題、日産、神戸製鋼、スバル、三菱などが挙げられます。ほかにも関西電力役員の金品受領問題については、福井県の高浜町も調査委員会による報告書を公表されました。組織としての社会的責任を果たすために、一般的にこういった組織の不祥事は自らが実態解明に取り組むという姿勢が見られます。その点、長岡市は明らかにほとんどの部分が分かっていないまま今に至っております。自ら実態解明に取り組むのが当たり前になっているというのが社会的な流れです。本当に市の対応、認識としては、このまま実態解明を行わないという方針でいいと思われているのでしょうか。

これらを踏まえて、もう一度改めて質問いたします。市として徹底的に実態解明を行うべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

〇総務部長(近藤信行君) お答えいたします。

市としましては、まず第1に事件の捜査に全面的に協力をしてまいりました一方で、事件の再発防止の観点から、できる限りの手だてを講じてきましたまず、弁護士や有識者で構成される長岡市職員倫理に関する検討委員会と長岡市入札契約制度に関する検討委員会を設置するとともに庁内組織としてコンプライアンス推進本部を立ち上げました職員倫理に関する検討委員会では、全職員を対象としたアンケート等を実施して業務の実態を調査、検証し、事実関係や問題点を抽出、整理しました。また、入札契約制度に関する検討委員会でも、制度全体の検証や他自治体の事例調査、事業者へのアンケート等を通じて制度の現状を確認いたしましたこうした経過につきましては、議員協議会において議員の皆様にも報告し、その都度様々な御意見を頂戴し、その御意見を踏まえ、職員倫理や入札契約制度の両面から不正行為の再発防止策をまとめ、取り組んできたところであります。

以上です。

〇諏佐武史君 分かりました。それでは、これから新聞報道等で明らかになったことや、私が確定記録を閲覧して確認した内容に沿って質問してまいります。

2 確定記録の閲覧について

冒頭に申し上げましたように私は昨年6月議会での市当局からの答弁に違和感や疑問を覚えましたので、新潟市の検察庁へ確定記録を調査として確認してまいりました確認したところ、市当局の答弁との食い違い、新聞等の報道では明らかにされていなかった事実も多く記載されておりました

確定記録の内容は、取調べを受けた逮捕者、その他市の関係者とも漏えい回数以外の部分、例えば積算方法変更の経緯などの供述が一致しており、その信憑性は相当高いものと思います。

事件の全容を解明するためには、市としてこの確定記録を閲覧、確認する必要があると思いますが、これまでに確認されたのでしょうか、お伺いします。

〇総務部長(近藤信行君) 傍聴を通じて裁判の内容の確認は行っており、裁判記録を確認す る必要はないと考えております。

以上です。

〇諏佐武史君 じゃ、次の質問に移ります。

3 逮捕された元市職員に対する事実確認について

裁判の対象となった事件は平成30年に落札された下水道工事3件でありましたが、新聞報道等でもされておりましたように公判の中で元市幹部職員は50回以上、別の幹部職員は25回漏えいしたと証言しており、県議秘書は二十二、三回、また業者側は漏えいは2017年夏以降に20回ほどあったと証言したとのことであります。明らかな食い違いも多くあります。

また、例えば漏えいは50回以上であったということであれば、それぞれ具体的にどのような経緯で、誰がどのように働きかけて、どのように行われたかなど、ほぼ全くと言っていいほど分からない状態のまま今に至っているわけなのであります。というのは、裁判の対象となった3件については、様々な角度から裁判の中で明らかになった部分があると思います。しかし、残りの何十件かについては、公判の中で初めてそういった漏えいがあったということが明らかにされたものであり、その前後関係や背景、原因など、確定記録にも記載されていない部分も多くあると考えられるため、いまだ分からない部分も多くあると思います。全ての事件がこの裁判で対象となった事件と同じように行われてきたのか、全く別のやり方で漏えいが起きたのかもよく分からない状態で、実態が明らかになったとは言えないと私は思います。

こういった部分で、元市幹部職員の2人に関しては、市として任意で事実確認が必要だと考えますが、そういったことはこれまでにされたのでしょうか、お伺いします。

〇総務部長(近藤信行君) お答えいたします。

捜査の対象となり、起訴された元職員からは、起訴内容が事実であるか確認をいたしました。

以上です。

〇諏佐武史君 それでは、裁判の対象となった3件以外、そのほか事件の例えば積算方法の経緯とかそういった部分のほかの部分のことについては確認はされていないということでしょうか。この部分再質問いたします。

〇議長(丸山広司君) 近藤総務部長。

〔総務部長近藤信行君登壇〕

〇総務部長(近藤信行君) 起訴事実以外の確認につきましては、捜査機関の取調べや裁判において確認が行われたと認識をしております。

以上です。

〇諏佐武史君 捜査によって確認が行われたということなのですが、実際先ほども申し上げたように裁判の対象となったのは3件のみであって、そのほかの公判の中で明らかになった50回の漏えい、25回の漏えいという部分は明らかになっていないと思います。そういう部分を市としてはしっかりと実態解明する必要があると思いますが、この後も質問もたくさんあるため、次の質問に移らせていただこうと思います。

4 漏洩された工事の特定について

次の質問なのですが、先ほど申し上げたように新聞報道等によると、市職員からの漏えいは50件、25件ということであります。確定記録によると下水道工事以外にもいろいろとあるようなのですが、市としてこれらの漏えいされた個別の工事の目星はついておられますでしょうか、

お伺いします。

〇総務部長(近藤信行君) 裁判で事実認定をされた3件の工事については特定しておりますけれども、それ以外は特定はすることができません。

以上です。

〇諏佐武史君  漏えいされた工事の目星がついていないということなのですが、やはり全然実態が解明されていないということなんだと思います。なおさら任意による事実確認が必要なんだと思いますが、市としてこれまでそういった漏えいされた工事に目星をつける作業を市の中で、公判の中で50件、25件ということが明らかにされたんですけど、市の中で例えば50件ってほかの工事だろうなというか、そういった部分で目星をつける作業はこれまでに行われてきたんでしょうか、再質問いたします。

〇議長(丸山広司君) 近藤総務部長。

〔総務部長近藤信行君登壇〕

〇総務部長(近藤信行君) 市では特定することができません。確定記録の中に起訴された事実以外の事実と思われるものがあったとしましても、既にそれらを含めて事件の背景や要因が明らかになっていると考えております。

以上です。

〇諏佐武史君 納得のいく答弁ではないのですが、これから質問する内容と重なる部分もありますので、次の質問に移らせていただこうと思います。

5 技監の職務について

次に事件の原因について質問します。まず、技監の職務についてなのですが、確定記録の記載によると技監の職務については12個並べられておりました。これは平成27年、当時の副市長と確認して決めたということなのであります。その技監としての職務の中に県議との調整というものがありましたこの技監の職務、県議との調整とはどういう意味なのか、お伺いします。

〇総務部長(近藤信行君) お答えいたします。

技監の職務は、長岡市行政組織規則に市長の特命または上司の命を受けて、その命に係る事務を処理し、当該する。市長の特命または上司の命を受けて、その命に係る事務を処理し、当該特命事項に係る各部への技術的な助言を行うと定めておりました。

御質問の県議との調整ということですけれども、これは新潟県へ事業要望を行う際に必要な地元県議への説明などのことについて記したものでありました

以上です。

6 技監への合議について

〇諏佐武史君 はい、分かりました。

次に合議について伺います。この事件で逮捕された元地域政策監は、土木部の技監も兼ねていたということであります。地域政策監の職務については、長岡市地域政策監の設置に関する条例の第2条によると、地域政策監は次に掲げる職務を行い、地域振興戦略部を所掌すると書かれております。

1、地域振興事業の統括に関すること、2、災害復興事業の統括に関すること、3、住民に対する復興支援施策の統括に関すること、4、前3号に定めることのほか市長が定める職務ということであります。これを読む限り、地域政策監としては工事価格を知り得る立場にはなかったということだと思いますが、ここも確定記録に記載があり、先ほど申し上げました技監の職務12個の中に工事の執行伺い、そして執行状況の把握という記載がありました。これについて解説がついており、市の事務決裁規則によると技監は決裁ルートに入っていなかったが、入札前の工事予定価格の決定について、財務部長の決裁が終わると地域政策監は土木担当技監も兼ねていたため、合議という形で執行状況の把握ができるように当時の副市長と確認して技監の業務について定めたと書かれておりました。本来決裁ルートに入っていなかった技監に入札前500万円以上の工事について、工事の執行伺、そして執行状況の把握を合議することにしたのはどういった理由でしょうか、お伺いします。

〇土木部長(野口和弘君) お答えいたします。

工事の設計におきまして、工法の工夫などによりコスト縮減をしっかりと図っているかあるいは工期の設定は適切かといったことなどを技監が確認するためであります。

〇諏佐武史君 今の御答弁いただいたようにそういったことについては規則の例外とはいえ、私はやっぱり一部合理性はあると思います。ただ、事件の一連の流れの中でブラックボックス化して一部の業者だけに落札させるということがありましたので、官製談合をスムーズにさせるためにこういったシステムにしたのではないかという疑問も拭い切れないところであります。

また、裁判では、積算方法変更と情報漏えいは車の両輪だった、つまりセットだったということで述べられております。市として技監を漏えいの窓口にするという意図はありませんでしたか、再質問します。

〇総務部長(近藤信行君) お答えします。

特にそういった思いはございません。

〇諏佐武史君 また、確定記録によると、設計価格2,000万円以上の制限付き一般競争入札についても、土木部長決裁後に合議という形で執行状況の把握ができるように当時の副市長と確認して技監の業務について定めたと記載がありました

また、合議に関する書類にも、直接一般競争入札に係る契約検査課からの入札後の引渡し書類も、主管課長でとどめることなく部長、技監まで回覧してくださいという記載もありました。こちらのほうは、一般競争入札に付する設計価格2,000万円以上の工事について入札後、入札結果に関する書類を技監に合議することにしたとのことでありますが、これもさっきと同じような理由でしょうか、お伺いします。

〇土木部長(野口和弘君) お答えいたします。

市がくじ引き削減の対応をしている中で、入札結果の関係書類を土木部長と技監に合議いたしまして、組織として落札状況を確認し、共有するためであります。

以上です。

〇諏佐武史君 今の御答弁と確定記録の内容は一部齟齬しているような部分もあるかと思いますので、ここは再調査が必要だと思います。

8 合議についての内部文書について

次の質問に移ります。今ほど質問した合議についてになりますが、確定記録によると土木部に対する内部文書として、以下の記載で合議の内容について配付されたということであります。

タイトルは、「技監への合議」となっております。内容は、以下の事項について、部長決裁後に合議してください。①、副市長以上決裁の案件、②、県議の要望事項(○○県議案件)と書かれている紙が配られました県議の名前も、特定複数の実名が出ておりました本日はこの県議名を申し上げることはしませんけれども、この県議の要望事項(○○県議案件)、これはどういう意味でしょうか、お伺いします。

〇土木部長(野口和弘君) お答えいたします。

県議は、県の事業だけではなく、市の事業に対する地元からの要望を取りまとめ、市に寄せることがございます。また、土木事業におきましては、県と市の事業が相互に関連し、協議や打合せが必要なことが多いことから、それらの調整に技監の技術的な助言を生かすため、県議の要望事項に関することを合議の対象としたものであります。その中で、土木関係の地元要望を寄せることが多い県議の名を記したものであります。

以上です。

〇諏佐武史君 今御答弁の中でありましたように土木関係の要望が多い県議のお名前を載せたという御答弁があったのですが、長岡市選出の県会議員は今も当時も6人いたと思いますが、その6人の中から特定複数名のお名前、その特定複数人が土木に関連するというのは、どういった基準でその複数人の名前が出てきたのか、もし今御答弁できればお伺いします。

〇土木部長(野口和弘君) 先ほど申しましたように土木関係の地元要望を寄せることが多い県議の名を記したものでございます。道路ですとか河川などの事業を進めるために地元で組織した同盟会などがございますが、その会長や顧問などといった役職に県議が就いているものがございます。そのため、そのような県議につきましては地元からの要望などを受けることが多いものと考えられます。

以上です。

〇諏佐武史君 地元の要望、土木関係の要望、そして同盟会などの要望が多い県議会議員だったということであったとしても、その2人だけ特別扱いしていたということになることは、私は市の仕事の仕方としては問題があると思いますが、次の質問に移らせていただこうと思います。

9 確定記録記載の「忖度する」の意味

また、確定記録に記載されていた解説によると、この県議の要望事項(○○県議案件)という文言には、特定の県議とうまく付き合う、忖度するという意味も含んでいるという記載がありましたが、そういう意味も含まれていたということは承知されておりましたでしょうか。

〇土木部長(野口和弘君) お答えいたします。

先ほど申しましたように土木事業におきましては県と市の事業が相互に関連し、調整が必要なことが多いことから、地元からの要望を市に寄せることが多い県議の名を記したものでございます。特定の県議に対し何か特別なことをするというような認識は、市としてはございません。

以上です。

〇諏佐武史君 はい、分かりました。しかし、確定記録によると、県議に忖度するという意味も含まれているという証言がありましたので、そういう意味はないということであれば、言葉の意味の認識が曖昧なまま長年にわたって仕事が行われてきたということだと思います。片や県議に対して忖度する必要があると考え、片やそういった意味はないという認識で仕事をされてきたということで、認識が統一されていない仕事をしてきたということは大変問題だと私は思います。

10 県議の影響について

次の質問です。裁判の内容を報道した新聞でも大々的にあっちこっち出ておりますし、確定記録にも何度も出てくる言葉として、県議の依頼を断れなかったとか、県議の力をひしひしと感じたという証言が出てきております。ほかにも断ったら長岡市政のためにならないと思ったと証言しており、逮捕された元市職員2人はそういった力を感じていたということなのですが、市としてもそういった見えざる力は感じられておられたでしょうか、伺います。

〇土木部長(野口和弘君) お答えいたします。

市としては、そのような認識はございません。土木事業におきましては県と市の事業が相互に関連し、調整が必要なことが多くございます。そのため、県議が県の関係部局と打合せをしたり、市に要望を伝えたりあるいは市が県議の意見を聞いたりということはあるものでございます。

以上です。

〇諏佐武史君 今そういった力は感じていないという御答弁だったのですが、では裁判でももう力をひしひしと感じたという表現が、この2人から同様の表現が出てきているわけなのですが、2人がこういった力を感じていたことについては市としてどのように捉えられておりますでしょうか、再質問いたします。

〇副市長・イノベーション推進監(水澤千秋君) 今再質問でございましたように裁判の調書等の中でそういった表現があるということはございますけれども、先ほどから土木部長が申し上げていますように市としてこういった県議との関わりあるいは県の仕事との関わりというのは、当然市の事業との関係で常にございますので、その中で私ども業務として、組織として対応しているというのが実情でございますので、御理解いただきたいと思います。

〇諏佐武史君 今の私の再質問は、裁判の記録というよりかは新聞や公判の内容として明らかにされていることなので、その部分について市としてどのように捉えているかということを質問したわけであります。そういう意味では今もまた納得できる答弁じゃなかったのですが、次の質問に移らせていただこうと思います。

11 積算方法変更の経緯について(誰に調査したのか)

次に積算方法の変更に至る経緯について伺います。事件が起きた原因としては、今質問したように本来最低制限価格を知り得ない立場の職員がそういった情報を知り得るシステムを当時の副市長と確認して定めていたということが1つ挙げられると思いますが、もう1つは市が設計書の仮設工または交通誘導警備員の供用日数等を非公表にして、入札参加業者に工事価格を類推させにくくしたことが直接の事件の原因となったわけであります。これまで明らかになっている部分を改めて説明いたします。長岡市の公共工事の一般競争入札においては、長年工事価格と入札予定価格が同額として設定されておりましたまた、入札における最低制限価格が工事予定価格の90%に実質的に固定されている状況が続いておりました。

その中で、建設業者等の積算技術の向上により、複数の建設業者等が最低制限価格で入札し、くじ引きによって落札業者が決定されることが頻発していたため、平成23年より長岡市では公共工事の設計図書の一部数量等を非公表としたりするなどの対策を行い、その結果、建設業者等が工事価格に近似する価格を積算するのが非常に難しい状況になったということであります。

昨年6月議会で財務部長は、積算方法の変更に至る経緯について、「市の調査ではやはりくじ引きが多く発生したことが問題だというふうに当時考えていた。市としてくじ引きの増加は受注の公平を損ね、入札における競争性の低下、業者の応札意欲あるいは積算意欲が低下していくことを懸念しており、検討した結果、積算方法を変更した」と、市の独自判断で変更したと答弁されておりました。しかし、新聞報道等の公判の内容によると、元地域政策監は平成23年に県議本人や当時の山崎副市長からの要請によって工事の積算方法を変更したとのことであります。また、新聞社の取材によっても、山崎元副市長も県議から積算方法見直しの依頼を受けたことを認めたということであります。

そして、確定記録によると、元地域政策監は平成23年当時の山崎副市長に対し、くじ対策のシステムをつくれという指示を最初に受け、次に平成25年にも当時の副市長にくじが多くなってきたので対応できないかと相談をされ、平成28年にも当時の副市長からくじを削減させるようにと指示を受けたということであります。いずれもいたちごっこでくじ字が増えていたということでありました。検察の指摘では、県議の要請によって積算方法を変更したということでありましたが、それに対して財務部長は、県議の要望はあったが、それによって積算方法を変更したわけではないとの答弁でありました内容が齟齬しておりますが、これらを踏まえてまた幾つか質問いたします。

今申し上げたように昨年6月議会で積算方法変更の経緯について財務部長は、市の調査によれば市の独自判断によって積算方法を変更したと答弁されましたが、これ誰にどのように調査したのでしょうか、伺います。

〇財務部長(小嶋洋一君) 私の6月議会の答弁について御質問をいただきました誰がどのような調査を行ったかということにお答えいたします。

このことにつきましては、市の内部でまず関係部局から聞き取りを行った。それから、保存してある文書ございます。これらをもとに行っております。

以上でございます。

12 積算方法変更の経緯について(昨年6月議会での財務部長と総務部長の答弁の齟齬について)

〇諏佐武史君 分かりました。

昨年6月議会の答弁によれば、先ほど申し上げたように財務部長は積算方法変更の経緯について、市の独自判断で変更したと答弁されましたその一方で、総務部長は、事件の実態は背景も含めて裁判によって明らかになったと答弁されました裁判での検察による背景についての説明では、県議の要請を受けた元副市長から指示を受け、元技監自身も県議から直接要請をされて積算方法を変更したということであります。裁判で明らかになったという総務部長が答弁した内容と、県議の影響はなかったという財務部長の答弁は、大きく齟齬しておりますが、この点はどのようにお考えでしょうか、伺います。

〇財務部長(小嶋洋一君) 先ほども御答弁させていただきましたけれども、くじ引き削減の対応についてその必要性を検討し、市として導入を決めたと我々考えておりますが、昨年の6月の同じときの総務部長の答弁を御紹介いただきましたが、裁判の中で背景や要因など実態が明らかにされたものと考えておるとおっしゃっていますが、特に個別の事柄について述べたものではないというふうに考えております。

以上でございます。

〇諏佐武史君 分かりました今の御答弁を聞く限りだと、市の見解としては市の独自判断で変更したということが最終的な見解だということで今お聞きしたのですけど、ということであれば裁判の中で検察が指摘した積算方法変更の経緯、そして逮捕された元市の幹部職員の証言が、こちらが誤っているという市の認識ということで間違いないでしょうか、この部分再質問いたします。

〇財務部長(小嶋洋一君) 裁判の中で示された証言については、私はそれ誤りだとか、正しいとかということはなかなかできないことだと思います。それは裁判の中で使われた証拠といいますか、その供述がとられたときの前後の脈絡もよく分からないところありますので、それが正しいとか、誤っているとかという認識は私どもはございません。ただ、先ほども、6月の繰り返しになりますけれども、私どもが調べた中ではその県議の方からの依頼でやったというふうな証言があったわけなのですけれども、私どもの調査の中ではそういったものがあったという事実が確認とれておりません。そういったことから、議員から見れば食い違っているよう

に見えるということだと思いますけれども、そういうことでございます。

以上です。

〇諏佐武史君 今御答弁を聞いても、やっぱり市が独自判断で変更したのか、県議の要請によって変更したのかというのは、これ真実は2つに一つしかないと思いますので、どちらかが誤っているということなんだろうなと思います。この部分もしっかりと明らかにする必要があると考えます。

13 積算方法変更の経緯について(ブラックボックス化の決定者)

時間も押してまいりますので、次の質問に移ります。次にブラックボックス化を決定した経緯について質問いたします。ブラックボックスとは、先ほど積算方法変更の経緯を説明したうちの積算を非常に難しくさせるために工事の設計図書の一部数量等を非公表とした部分がブラックボックスと言われております。繰り返しになりますが、元市職員にブラックボックス化を指示したのは歴代の当時の副市長たちということであります。しかし、これを決定したのは誰かという部分については、これまで明らかにされておりません。ブラックボックス化への変更を決定したのは誰か御存じでしょうか、お伺いします。

〇財務部長(小嶋洋一君) 工事価格の積算方法の複雑化のことの御質問でございますけれども、今ほどいろいろ御紹介いただいたように積算方法を複雑にするという指示については当時の副市長から元技監及び財務部に対してくじ引き削減を対応するという指示が出ていたというふうに考えています。その後その指示を受けた関係職員が協議をして、具体的には積算方法の複雑化を始めたり、強化しているということです。28年度についてはいろいろ記録もございますので、当時の副市長から今ほどのくじ引削減の対応をしてくれという指示があったということは確認しております。23年度と25年度につきましては明確な確認がとれておりませんけれども、28年度当時の状況からすればやはり28年度同様に当時の副市長からくじ引き削減対応の指示が出ていたんだろうというふうに考えております。

決定者は誰かという御質問ですけれども、我々としてはこれはもう組織で議論をして、組織で決定しておりますので、決定者というのもおかしいですけれども、組織決定をしているということでございます。

以上でございます。

〇諏佐武史君 はい、分かりました。

14 積算方法変更の経緯について(当時の副市長からの指示)

それでは、次の質問に移ります。先ほど申し上げたように、逮捕された元市職員にブラックボックス化を指示したのは県議から積算方法見直しの依頼を受けた元副市長ということは、裁判や新聞社はそういうふうに報道されているわけであります。また、これも繰り返しになりますが、確定記録にもブラックボックス化もしくは協会の指示が3回歴代副市長から指示されたという記載がありました。確定記録によると、それらの指示は、まず平成23年、公表範囲変更(仮設材供用日数を非公表)、平成25年、公表範囲変更(交通誘導員の人数、配置の非公表)、平成28年、当時の副市長より逮捕された元市職員に対しくじ引き案件削減の検討指示(交通誘導員配置の変動化)ということであります。当時の副市長から今申し上げたような平成23年、25年、28年に指示を受けたことは間違いありませんでしょうか、改めて市の認識を伺います。

〇財務部長(小嶋洋一君) 先ほどの答弁と少しかぶるところがございますけれども、くじ引き削減の対応の指示が当時の副市長から出ているということです。それを受けた関係職員がおりますけれども、その中でいろんな協議を行って積算方法の複雑化を行ったということですから、諏佐議員がおっしゃる私が申し上げた積算方法の複雑化というところが手段としてのブラックボックスと紹介されている部分だと思いますけれども、そこについては関係職員で議論をして決めているということです。ですから、繰り返しになりますけれども、目的としてはやっぱりくじ引き削減をするというミッションのもとで行っておりますので、その対応をしてほし

いという指示が当時の副市長から出ているというのは間違いないところでございますが、その手段としての積算方法の複雑化まで指示をしたと、あったというところまでは我々確認とれております。

以上でございます。

15 積算方法変更の経緯について(副市長からの指示の意図)

〇諏佐武史君 今の御答弁分かりましたが、再質問いたしますが、今答弁された中でも平成25年の指示まではただ設計図書の数量一部非公表にするだけで数量そのものは適正なくじ対策だったと思っておりますが、平成28年のくじ対策からのブラックボックス部分の数量については通常考慮しない数量が用いられ、異常なブラックボックス化が加速したと思っております。通常考慮しない数量が用いられたという部分は新聞報道等でも明らかになっているわけなのですが、そのほかの部分、細かい内容についてはこの後関貴志議員が質問するということで聞いておりますので、ここで触れることはいたしませんが、副市長からの指示というのは相当重要な指示だと思います。今申し上げましたように異常なブラックボックス化が加速したと思われるこの平成28年のくじ対策は、これはどういった意図で指示されたのかは確認されたのでしょうか、伺います。

〇財務部長(小嶋洋一君) お答えいたします。

指示については、これは前回私が答弁したとおりなのですけれども、スタート当時にくじ引きが多発をして、そのくじ引きの増加が受注の公平を損ねて入札における競争性の低下を招くのではないか、併せてくじに外れた業者の方の応札意欲とか積算意欲が低下していくことを懸からの一貫の流れでございます。

以上でございます。

16 市民への説明について

〇諏佐武史君 今の御答弁の内容と確定記録、そして新聞などで明らかになった公判の内容、相当ずれが生じているような感想を持ちます。やはり納得できる答弁ではないのですが、今後やっぱり再調査の必要性は明らかだと思います。

そういった部分で最後の質問に移らせていただこうと思います。事件について、市民は新聞報道等で公表された内容以外何も分かりません。昨年3月議会で市民への説明などを求めるという質問に対し、市長は市民への説明については、今後市議会への説明、市のホームページや市政だよりへの情報掲載等、様々な手段を通じて速やかに説明を尽くしてまいりたいと考えておりますと答弁されておりましたが、私の知る限りいまだにそういった説明はないのではないかなと思います。ほかの自治体で同様の不祥事、官製談合などが発覚した際は、それぞれ再発

防止策の検討と市による検証が行われ、公式に発信されております。公判での供述や本日頂いた御答弁なども含めて、市行政として責任を持って公式に報告書を作成し、総括を行うべきだと私は考えます。

今年10月には市長選挙がありますが、磯田市長は再出馬するかどうかまだ明らかにされていませんが、今任期中の大きな課題にすべきではないのかなと私考えております。秋の市長選挙までに調査結果を公表すべきだと思いますが、間に合わないということもあると思いますので、再出馬するにしてもしないにしても、3月議会の答弁で市長自らがおっしゃられたように、せめて中間報告は出すべきだと思います。こういった総括と報告書の作成についてはどのようにお考えでしょうか、伺います。

〇総務部長(近藤信行君) 冒頭にも答弁させていただきましたけれども、裁判により明らかになった事件の背景、それから要因及び全職員を対象にしたアンケートに基づきまして、長岡市職員倫理に関する検討委員会において、事件の一番の要因となった利害関係者等との関わり方を中心とした不正行為の再発防止に向けた方策等を検討いただきました。

それから、長岡市入札契約制度に関する検討委員会では、公正性及び透明性のより高い入札契約制度の構築等について検討いただいたところであります。市では、長岡市議会における官製談合事件の検証と再発防止を求める決議や行政監視機能強化検討特別委員会の報告、議員協議会において議員の皆様からいただいた様々な御意見を踏まえ、両検討委員会がまとめた提言書に基づいて長岡市職員倫理行動指針の策定、それから入札契約制度の見直しなどを行うなど、再発防止の取組を進めているところであります。

なお、両検討委員会での検討状況や再発防止の取組につきましては、議員協議会において報告するとともに、ホームページや市政だよりに掲載して広く周知を図ってまいりました。重要なことは、利害関係者等との適正な関わり方や不当な要求に応じないための方策や仕組みの構築、また適正な入札契約事務の執行等、事件の背景や要因を踏まえて二度と同様の事件が起きないように、再発防止の取組を検証しながらさらなる努力を続けていくことであると考えております。

以上です。

〇諏佐武史君 今頂いた御答弁の中にあったような説明は、裁判によってある程度の事実が明らかになる前に市民に対して説明されていた内容であったと思います。なので、実際に何が、誰が、誰に対してどのように漏えいを働きかけたかというようなその具体的な中身についてはまだ一切説明がされていないのではないのかなと私は思っております。

また、先ほども申し上げましたように、昨年3月議会で市長は、市民への説明等を求めるという質問に対し、繰り返しますが、市民への説明については、今後市議会への説明など様々な手段を通じて速やかに説明を尽くしてまいりたいと考えておりますというふうに御答弁されていたわけなのですが、またその部分についてちょっと私の質問の趣旨と食い違いがあるのかなと思います。そして、冒頭にも申し上げましたように、国内の組織や企業などは不祥事が発覚した場合には、組織としての社会的責任を果たすために、一般的にこういった組織の不祥事は自らが実態解明に取り組んでおられます。そういった社会的な流れを考えても、実態解明するための調査報告をする義務があると私は思います。

市長はこの事件の発覚当時、市政始まって以来の不祥事とおっしゃっておられました。秋の市長選挙はこの事件の総括、今後の市における方向性を定めるという意味では争点の一つになるのではないかと思います。こう考えた場合、正式に事件の総括、報告もされていない状態だとこの事件に対する思いが投票に結びつかなくなる可能性があるのではないかと思います。市民の審判を仰ぐ意味でも、市長の任期中にきちっとけりをつけておく必要があると考えます。

最後市長の見解を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いします。

〇副市長・イノベーション推進監(水澤千秋君) このたびの事件を発端にしまして、約1年間この不正防止に向けて様々な取組をしてきたことについては、今ほど総務部長から御答弁申し上げたとおりでございます。その過程の中で、節目節目で議員の皆様に御説明し、市長自身がその段階段階で長岡市の方針を示して、また最終的に2つの第三者委員会で提言を受けたものについて、しっかりと受け止めますという形でその提言を受けて、それぞれ職員の倫理の確立、また今後このような事件が起きないような公平性と透明性の高い入札契約制度を構築するということでまとめ上げました。

これについて、先ほど申し上げましたように、市民の皆様にも市政だよりとか、あるいはホームページでも経過も含めて申し上げてきたところでございます。現在、その市の、あるいは市長の表明させていただいた方針に基づいて、着実に市職員の倫理の確立であったり、また入札の具体的な改善の手法を今導入をしておりますが、これを注意深くこの経緯を見ながら、先ほど申し上げましたように、今後ともこのような事件が起きないような倫理の確立と、また公正、透明性の高い入札の仕組みを確立、維持できるように取り組んでいきたいというのが長岡市としての考え方でございます。

以上です。

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