長岡市議会議員としての活動実績

令和3年3月議会 建設委員会 (路線バスのキャッシュレス導入の実証実験について、官製談合事件における設計書の複雑化指示について、土木部における災害時の情報収集体制について)

2021.06.10

◆諏佐武史 委員  私からは、路線バスのキャッシュレス導入の実証実験についてお伺いいたします。
 私は、令和元年9月の建設委員会の中でも申し上げましたが、公共交通へのICカードの導入は、利便性の向上だけでなく、データ取得による運行の効率化にもつながるため、利用者と事業者双方にとって導入のメリットが高いと考えております。当時の建設委員会では、多額の費用がかかり、バス事業者は踏み出せない現状、そして市街地の一部で試験的な導入も含め、バス事業者への働きかけについても一緒に検討していきたいという答弁があったところでございます。その後、昨年9月の補正予算において路線バスキャッシュレス導入実証実験事業が予算化され、今月20日から実証実験が開始されることになり、第一歩が踏み出せたのではないかと考えております。
 そこで、3月20日から開始される実証実験の目的と内容について伺います。

◎安藤 交通政策課長  まず、実証実験の目的でございますが、長岡市ではICカードの導入について、利便性の向上であったり、運行の効率化などを目的に過年度より事業者とともに検討を進めてきたところでございますが、先般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非接触型決済による感染リスクの低減も目的としているところでございます。実証実験の中で、キャッシュレスの重要性やそれらの目的に対する効果を検証していきたいというふうに考えてございます。
 続きまして、実証実験の内容でございます。長岡市が事務局を務める長岡市地域公共交通協議会とバス事業者が連携して実証実験を実施するものでありまして、バス路線の中で利用者が多く、現金決済割合が高い中央環状バスくるりんに、新潟交通の路線バスや県内高速バスで運用されているりゅーとシステムを導入するものであります。りゅーとシステムの導入によりまして、Suicaなどの全国交通系ICカードやモバイル決済が可能となります。
 なお、実証実験の期間は特別設けておらず、効果が確認されれば継続して運用していく予定でございます。

◆諏佐武史 委員  今の御答弁の中で、長岡市地域公共交通協議会と交通事業者が連携して実施するということでありましたが、令和元年9月の建設委員会では、ICカードの導入は基本的にバス事業者が主体となり、市はそれを支援する立場という答弁がありました。今回は実証実験ですが、長岡市と交通事業者の役割分担について伺います。

◎安藤 交通政策課長  実証実験に必要となる機器やシステムの導入につきましては、長岡市の補助を受けた長岡市地域公共交通協議会で負担し、運行開始後のシステム手数料であったり、メンテナンス費用等の管理や運用経費は、交通事業者で負担することとしております。これらの役割分担につきましては協定を結び、実証実験を実施することとしております。

◆諏佐武史 委員  この項目の最後の質問ですが、ICカードの導入は利用者と事業者の双方にとってメリットが大きいと思いますので、導入拡大を進めるべきだと思いますが、今後の展開について伺います。

◎安藤 交通政策課長  新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、公共交通のキャッシュレス化はこれまで以上に必要性を増しており、その点はバス事業者とも共感しているところでございます。本格的な導入に当たりましては、基本的にバス事業者が主体的に行い、市が支援していくという考えに変わりはございませんが、今回の実証実験の効果を検証し、バス事業者と連携を図りながら検討していきたいというふうに考えております。
 なお、先ほど委員がおっしゃったとおり、コスト面が一番の課題となりますが、最近ではJRと連携した地域連携ICカードであったり、アプリ決済などの取組、あと各交通モードの決済を可能とするMaaSの試行的な取組も全国各地で開始されているところでありますので、それら最新技術の動向も注視しながら検討していきたいと考えてございます。

◆諏佐武史 委員  課題などもあるかと思いますが、実証実験だけで終わることがないようお願いしたいと思います。
 次に、官製談合事件における設計書の複雑化指示について伺います。今議会における私の一般質問の再質問に対して総務部長から、積算の中で現場の状況に関係のないような数値を用いるように上司から指示を受けていたというものがあったが、そういったことはあったけれども、調査の結果、担当者においてはそういった数値を用いていなかったということを確認しているとの答弁がありました。
 昨年6月議会における関貴志議員の一般質問に対する水澤前副市長の答弁でも同様の趣旨で、乱数というのは供述調書に出ており、それは供述者は指示したとしているが、確かに上司から指示は受けていたものの、積算でそのような数値を使っていなかったとされております。つまり、証言としての答弁を総合してまとめると、実際には使用しなかったけれども、乱数を使用せよという上司の指示があったということは答弁の中で明らかになったわけであります。これを裏づけるものとして確定記録に記載されている中でも、当時のある管理職の方の証言ですが、平成30年4月、技監から当時の管理職の方に指示があり、くじ引き対策の徹底と複雑化、平成30年7月、技監から当時の管理職の方に指示があり、くじ引き対策のさらなる複雑化という記載がございました。証言によれば、この複雑化という点が乱数使用に当たるということであります。
 まず、1つ目の質問は、確定記録上の証言についてです。証言者は今も長岡市役所に勤める職員ですが、この人は乱数を使用するよう指示を出し、乱数を使用したというふうに証言しております。これに対して一般質問での答弁は、乱数は使用していなかったとされているわけなのですが、なぜそう言えるのか、その根拠について伺います。

◎中川 土木部次長  御質問のありました根拠につきましてですが、平成31年4月に土木部長から各課長に対しまして、設計担当者に確認するよう口頭により指示がありました。その結果、現場の状況に関係のない数値を用いた設計はなかったことを確認していることからです。

◆諏佐武史 委員  今、口頭によって行われた指示の中で、現場に関係のない数字を用いるような指示がなかったという御答弁だったのでしょうか。もう一度お願いします。

◎中川 土木部次長  そのとおりでございまして、口頭により指示がありまして、その結果、現場の状況に関係のない数値を用いた設計はなかったことを確認しております。

◎野口 土木部長  今の質問について補足させていただきますと、おととしの4月に私が土木部に参りました。その後、各課長に対しまして、今ほど土木部次長が申しましたように、設計担当者に対して実際そういう現場の状況に関係のない数値を設計において使っていたのかということを確認するように私が口頭によって指示したものです。その結果、現場の状況に関係のない数値というものは、設計においては使っていなかったということを確認しており、それを踏まえてこれまで答弁してきているというものでございます。

◆諏佐武史 委員  そういう指示が出されていたということは今分かったのですが、質問の趣旨としては、どういう根拠に基づいて乱数を使用していなかったという断定ができるのかということをお伺いしましたので、もう一度その根拠について伺います。

◎中川 土木部次長  そのほかに、現場の状況に関係のない数値を設計に用いるよう指示のあった平成30年度の工事の設計書について、今年度積算内容の根拠を確認いたしました。その結果、改めてそのような数値が使われていなかったことが分かっております。

◆諏佐武史 委員  分かりました。
 次に、指示系統について伺います。先ほども述べたように、市は実際には使用しなかったけれども、乱数を使用せよという上司の指示があったということは認められております。元技監からのこの指示はどのように行われたのでしょうか。設計者に直接なのか、管理職などを通じてピラミッド型に指示が下りていったような形なのでしょうか、その辺りの詳しい説明をお願いいたします。

◎中川 土木部次長  上司から課長などの管理職を通じて担当者へ指示されたものであります。

◆諏佐武史 委員  そうすると、担当職員の方が上司の指示を実行しなかった理由は何なのでしょうか。

◎中川 土木部次長  上司からくじ引き削減対策としまして現場の状況に関係のない数値を使うようにと指示がありましたが、設計担当者においてはそれを用いると設計の妥当性について説明ができなくなるということで、そのような数値は使用しませんでした。

◆諏佐武史 委員  例えばそういった指示が出た場合に、その指示が出た段階で設計者の方から指示を出した上司の方に対して、そういったことはできませんとその場で突き返すようなことはあったのでしょうか。

◎中川 土木部次長  その場ではありませんでした。

◆諏佐武史 委員  次に、この指示は適正なものだったのでしょうか。

◎中川 土木部次長  指示については、実際にどのような表現で行われたか当時の状況は明確ではありませんが、いずれにしても担当者がそれに従わざるを得ないような強く求めるものではなく、複雑化をさらに求めるという趣旨で行われ、担当者もそのように受け取ったものと聞き取りにより判断しております。結果的に、担当が行った積算を当該上司が承認しまして手続が進められていることから、必ずしも不適正な指示が行われたと判断すべきものではないものと考えております。

◆諏佐武史 委員  必ずしも不適正な指示が出ていたわけではないという御答弁でしたが、今振り返ると適正であったのか、不適正であったのかという点は、どのように認識されておられますでしょうか。

◎中川 土木部次長  その辺につきましては、まだ明確な判断ができないので、ちょっとお答えできません。

◆諏佐武史 委員  先ほどの御答弁に対して再質問します。冒頭にも述べましたように、今議会の一般質問での総務部長の答弁でもありましたが、積算の中で現場の状況に関係のないような数値を用いるように上司から指示を受けていたということがあったけど、そういった数値を用いていなかったとされております。今議会における総務部長の答弁と昨年6月議会の水澤前副市長の答弁をそのままというか、言葉どおりに理解すると、指示が出た段階で明らかに不適正な指示であったものが出ていたけれども、当時の設計者の間でそれを止めていたというふうに思われるのですが、その場で適正か、不適正かを判断できなかったというふうにさっき御答弁されていたかちょっと曖昧なので、その辺についてもう少し詳しく御説明いただけますか。

◎中川 土木部次長  指示が、大ざっぱな指示とかそういった場合もあったと思われますので、具体的な指示はなかったため、その場ではなかなか判断できなかったと思います。

◆諏佐武史 委員  結果として、今回そういった上司の指示を設計者の方が実行しなかったということだったと思うのですが、土木部においてそういったことはほかにもあったのでしょうか。

◎中川 土木部次長  今ほど申し上げましたが、指示には様々な形や程度があると思います。一般的には、指示の趣旨を酌んで対応しております。

◆諏佐武史 委員  それでは、今回のこの指示に関してはどういった趣旨の指示であると認識されていたのでしょうか。

◎中川 土木部次長  くじ引き削減対策の指示だったと思います。

◆諏佐武史 委員  今質問に答えていただいて大体分かりましたので、まだ分からないところもいろいろあるのですけれども、所管が決められている委員会の中で議論するのはなかなか難しいと思いますので、今日のところはこの程度にしておこうと思います。
 最後に、土木部における災害時の情報収集体制について伺います。令和元年10月の台風第19号によって、長岡市においても信濃川の水位上昇に伴うバックウオーター現象の発生による浸水被害など、災害時の対応に課題を残しました。今後、防災体制の一層の強化が求められております。土木部では、これを踏まえて災害時の現地情報を収集するためにモバイル端末を導入したと聞いておりますが、まずモバイル端末の導入状況及び活用内容について伺います。

◎中川 土木部次長  モバイル端末の導入状況としましては、今年度に38台の端末を導入しており、土木部各課に18台、支所に20台を配備し、活用しております。主に現場の状況を撮影したり、関係部署と迅速に情報共有するために機械を活用しております。

◆諏佐武史 委員  次に、その使用実績について伺います。

◎中川 土木部次長  使用実績としましては、豪雨などによる災害発生時や、現場のパトロール中に異常を発見した際に使用しております。このほか、通行止め箇所の情報共有や気象情報などの把握にも使用しております。

◆諏佐武史 委員  効果や使用されてみての感想などについて、最後にお伺いします。

◎中川 土木部次長  今ほど質問がありました件につきましては、導入による効果や感想としまして、現場の情報をリアルタイムに把握し、情報共有することができることから、その後の迅速な対応が可能となりました。また、災害時には支所や危機管理防災本部などと部局を超えた連携を図ることができ、情報収集により効率的な対応につなげることができました。

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