令和元年12月議会 建設委員会(デマンドタクシーについて、台風19号における信濃川堤防の漏水について)
2020.04.06
1 デマンドタクシーについて
◆諏佐武史 委員 私からは、大きく2点ほど質問させていただこうと思います。
まず、栃尾地域で実証実験がされているデマンドタクシーについてお伺いいたします。私は西谷地区に縁があるものですから、ことしの10月から開始された景虎号によるデマンドタクシーの実証運行について、地元住民の声を伺いました。伺うと、運行についてはしっかりと認知されており、まだ利用したことのない方からも地域の足として期待する声が聞かれました。こういった地元住民の声からも、実証運行がうまく進んで、本格運行につながっていくことが望まれていると思います。
まず初めに、10月から景虎号の実証運行が開始されて2カ月がたったわけでありますが、現在までの利用状況についてお伺いいたします。
◎安藤 交通政策課長 利用者は、10月、11月の2カ月間で317名の利用となっております。稼働率といたしましては、2カ月合計で計画していた305便の運行に対しまして、実際に運行したのは184便で、約60%の稼働率となってございます。実運行1便当たりの利用者数は、2カ月平均で1.7名というふうになってございます。
利用の目的地は、デマンドタクシー運行で新設した停留所でございます原信栃尾店前が最も多く、買い物に利用されております。また、東ヶ丘整形外科前や栃尾車庫前の利用も多く、通院や長岡方面へのバス乗りかえにも利用されているところでございます。
◆諏佐武史 委員 買い物、通院、長岡への移動手段として利用していただいているということなのですが、本格運行に向けてはもっと利用していただくことが重要だと思います。これまでの実証運行の利用状況も含めまして、今後の取り組みについてのお考えをお伺いいたします。
◎安藤 交通政策課長 長岡市といたしましても、本格運行に向けましては、ぜひ実証運行で利用していただきたいと考えてございます。今後は、利用啓発はもちろんのこと、実証運行の利用状況、あと地域住民の声を把握しながら必要に応じて運行内容の見直しも加え、本格運行へつなげていきたいというふうに考えてございます。
また、財源といたしまして国の補助制度の活用も検討しているところでありまして、その補助要件を満たすことを目標としながら実証運行を進めていきたいというふうに考えてございます。
◆諏佐武史 委員 今御答弁いただいた中で補助制度とありましたが、こういった取り組みは財源の確保も地域の足を確保していく上で重要な課題だと思います。今回のような取り組みに対する補助制度の内容は、どのようなものになっているのでしょうか。
◎安藤 交通政策課長 現在実施している実証運行につきましては、新潟県で今年度創設されました地域の移動手段確保支援事業費補助金制度を活用してございます。新たにコミュニティバスや乗り合いタクシーなどを実施する取り組みに対しまして、補助対象期間は1年、赤字分となる補助対象額の5分の2を支援していただく制度となってございます。その後に予定しております本格運行に向けましては、国土交通省の地域内フィーダー系統確保維持費国庫補助金制度がございます。補助対象額の2分の1を支援いただく制度でありまして、こちらの活用については実証運行の結果を受けて、国土交通省と協議を進めていきたいと考えてございます。ちなみに補助要件といたしましては、主に幹線バスに接続する枝線であること、あと新たに運行を開始するものであること、あと路線定期運行の場合につきましては1回の運行当たり2人以上の利用があること、今回のようなデマンド型につきましては稼働率が30%以上であることなどが要件としてあると把握しているところでございますが、こちらについても詳細は国土交通省と協議していく必要があるというふうに考えてございます。
◆諏佐武史 委員 今後も利用促進を図っていただいた上で、補助制度の活用もうまく検討しながら本格運行へ向けた取り組みを引き続きお願いしたいと思います。
2 台風19号における信濃川堤防の漏水について
続きまして、台風第19号における信濃川堤防の漏水箇所について、何点かお伺いいたします。本会議の一般質問に対する土木部長からの答弁の中で、西蔵王、槇下町、寺泊新町にて信濃川堤防からの漏水が確認されたということと、堤防からの漏水は破堤の原因となり、甚大な被害を引き起こすおそれがあるという説明がありました。この答弁を聞く限り、相当危険な状態ではなかったかと思いますが、まず堤防からの漏水とはどのような現象なのでしょうか、お伺いいたします。
◎入澤 河川港湾課長 御質問の信濃川堤防からの漏水についてお答えします。
信濃川に限らず、河川の堤防は土を盛ってつくられており、川の水位が市街地側の地盤より高くても堤防があることで安全に水を流すことができるようにつくられています。堤防からの漏水は、長時間にわたって川の水位が高くなり、堤防に水が浸透し、市街地側へしみ出す現象です。そのまま放置し、漏水が拡大すると破堤の原因となるため、状況を確認し、速やかに対応することが重要であると考えています。
◆諏佐武史 委員 今御答弁いただきましたように、一般的に漏水が起きたというのは破堤の原因となる危険な状態だったと思います。今回の台風の中で本市で確認された西蔵王、槇下町、寺泊新町ではどのような状態だったのでしょうか、お伺いいたします。
◎入澤 河川港湾課長 堤防は水が浸透しにくい土質で盛り土されておりまして、対策がとられておりますけれども、長時間にわたって川の水位が高い状態が続きますと堤防に水が浸透し、ある程度の漏水が発生することはあり得ます。漏水があった現地の状況は信濃川の管理者であります国が確認しており、西蔵王と槇下町での漏水は目視で水がしみ出ていることが確認でき、寺泊新町につきましては水でぬれていましたが、しみ出しは確認できなかったものです。漏水が確認された西蔵王と槇下町の2カ所は、漏水の拡大を防ぐため、すぐに国や水防団により、土のう積みによる漏水対策が実施されました。
◆諏佐武史 委員 対策が実施されたとはいえ、危険な状態だったのだと思います。
あと、所管が違うかもしれないのですが、10月28日の議員協議会や発信されていた令和元年台風第19号被害等の概要でこの漏水に触れていなかったのはなぜなのでしょうか、お伺いいたします。
◎入澤 河川港湾課長 議員協議会や台風の被害報告等の概要におきまして信濃川堤防の漏水に触れなかったのは、被害が発生していないためであります。
また、一般質問の土木部長答弁で堤防漏水箇所について触れましたのは、漏水の拡大は堤防の決壊等につながるおそれがあり、しっかりと対策を進めるよう市長が国へ要望したことをきちんと説明させていただいたものでございます。
◆諏佐武史 委員 それでは最後に、今回と同じように川の水位が高い状態が長時間にわたって続いた場合は、夜間なども広域にわたって確認する必要があるかと思いますが、これまでどういった対応をされてこられたのでしょうか。また、今後、漏水対策を含めた堤防の強化についてどのようにお考えでしょうか。
◎入澤 河川港湾課長 まず、1級河川の管理者は国や県ですけれども、地域からの通報を受けたときなどは長岡市でも現地を確認するなど、国・県・市で連携を図っております。夜間に高い水位が続いた状況でもパトロールは継続しております。しかし、暗い中での確認作業は難しいことも事実ですし、川に近づくことは危険を伴います。パトロールのほかに水系や監視カメラを確認しながら状況を判断するなどの対応を行っています。
また、堤防からの漏水は堤防の決壊などにつながるおそれがあり、国からしっかりと対策を進めていただく必要があります。11月25日に磯田市長が北陸地方整備局へ要望に行き、1つ目としまして、堤防の漏水箇所を含む浸透対策をしっかり実施し、堤防強化を進めること。2つ目として、大河津分水路の改修を促進し、流下能力をふやすため、一日でも早く完了すること。この2点を強く要望し、国からはしっかりと進めていくと話がありました。