議会での活動

令和6年9月県議会 二次連合委員会(県発注工事における外壁改修工事の建築改修標準特記仕様書について)

2025.05.27

◆諏佐武史委員 よろしくお願いします。私から、県発注工事における外壁改修工事の建築改修標準特記仕様書について伺います。最初に、これまでの議論について簡単に説明をさせていただきますが、県土木部都市局営繕課が出している、この外壁補修工事の建築改修標準特記仕様書の外壁改修工事共通事項の②外壁改修の施工の欄、外壁改修工事は、新潟県外壁補修工事業協同組合員の施工とすると記載があります。これは要するに県が発注した工事を落札した受注者、つまりゼネコンをイメージしてもらえればと思うのですが、その受注者が外壁補修の工事に関して、平たい言葉で言えば、下請けに出す際には、この組合に入会している業者のみに県が施工を限定させているという特記事項であります。発注者である県が受注者に対して、下請けにはこの組合員を使うようにと指定をしておりまして、本県土木部発注工事においても、防水塗装といった外壁関係のみに定められた特殊な規定ということであります。
 これまで県は、県発注工事においては、地元建設業者の振興・発展を目的として、地元地域建設業者による受注が望ましいという理由から指名競争入札を優先的に行ってきたという趣旨の答弁を行われてきましたが、この組合員の名簿を確認したところ、下越では新潟市が22社、佐渡、村上がそれぞれ1社、中越では長岡が10社、三条、小千谷、魚沼、津南、柏崎がそれぞれ1社、上越では上越が5社、妙高、糸魚川がそれぞれ1社となっております。つまり、例えば下越では新発田や胎内、阿賀野、五泉などは組合員がいないので、受注者が地元の工事は地元の業者に施工してもらいたいと考えたとしても、この特記によって地元の業者には仕事を頼めず、よその地域の業者にお願いせざるをえない状況になっており、これまでの答弁との大きな矛盾を感じております。
 先週の常任委員会で、営繕課長は、ただし書きの例外規定によって組合員以外の地元業者にお願いしたりなど、柔軟な対応をするという御答弁がございましたが、じゃあその例外はどの程度なのかと確認をしたら、昨年度及び今年度も完了又は現在施工中の工事を見ても、例外の適用はゼロということであります。要するに、ただし書きの規定はありますが、少なくとも昨年度と今年度に関しては事実上、 100パーセント組合員以外の施工は認めていないということであります。そのほか、理由について、過去に県外の業者が下請けに入ることがあった、地元企業の活性及び育成、組合内部に組合員の施工を相互にチェックする体制が執られており、品質の高い施工が期待できることや、研修会を毎年実施していることを挙げておられましたが、県が一部の特定業者に対する寡占状態を生み出してきたと言えるうえに、先ほども申し上げましたように、地元企業の活性及び育成という意味で言えば、逆行しているように思います。
 これ、単に地域要件を定めて、地元の業者に施工してもらうという趣旨でお願いすればいいのではないのかなと思いますし、また、組合内のチェック体制と言っておりますけれども、工事に問題がないように、今、職員による検査、そして責任を負うべき受注者サイドによるチェックがあるわけなので、それらを総合的に考えて受注者がどこに施工をお願いするかは、それらは自由市場における競争過程において適正に判断されていくべきことだと思います。また、公共工事において確保されるべき競争性とは、広い意味で言えば、工事を落札した受注者を巡る競争も含まれると解されているようであります。知事がこれまで再三にわたって訴えられてきた、公共工事の大前提である競争性、公正性、透明性にも衝突する内容に思われます。
 以上を踏まえて質問いたしますが、外壁改修工事は組合に属さない地元の事業者が施工できないおそれがあり、現にそういう状況が発生しているようであります。この特記事項は、これまで繰り返し答弁されてきた地元企業の活性及び育成と矛盾すると考えますが、まず、知事の認識を伺います。

P.8 ◎答弁 花角英世知事

◎花角英世知事 県が発注する外壁改修工事に係る特記仕様書の考え方でありますけれども、県の公共工事においては、新潟県中小企業者の受注機会の増大による地域産業の活性化に関する条例の趣旨を踏まえまして、県内企業を優先的に採用するように努めています。
 また、外壁改修工事は、工事完了後に漏水が発生すると建物に非常に大きな支障が生じるおそれがあると。これを未然に防ぐために適切な手順により、品質の高い施工ができる業者を選ぶ必要があります。組合につきましては、内部で工事管理、検査体制が確立されているとともに、外壁改修に関する研修会を毎年実施している。そうしたことから、組合員は一定以上の施工品質を確保できる能力を有していると考えています。また、組合員による施工の場合には、受注者、組合及び組合員との三者による施工保証書の提出を求めており、かりに保証期間内に外壁からの漏水等が発生した場合には、この三者が当該箇所の無償修理に応じることとしています。
 したがいまして、組合は組織として責任を負う体制を備えていると言えることから、特記仕様書において原則、施工業者は組合員に限定したうえで、技術者不足などの理由で組合員では対応できない場合などには、組合員以外が施工することができるとしてきたのが今までのところであります。他方、委員御指摘のとおり、組合員以外でも品質の高い施工ができ、かつ施工にしっかりと責任を負うことができる事業者も存在することが考えられますので、そうした事業者も施工業者とすることができるように今後、研究してまいりたいと思います。

P.9 ◆質問 諏佐武史委員

◆諏佐武史委員 今後、研究していただけるということなので、そこは妥当性についても検討していただきたいと思うのですけれども、いずれにいたしましても、さまざまな組合による保証があるということなのですが、それらも踏まえて、受注者サイドがそれらも含めて総合的に判断をして施工する業者さんをどこにお願いするかということも判断されていくべきだと思いますので、そういったことも踏まえて再度、検討していただければなと思います。
 あとは次の質問にも関連してきますので、次の質問に移りますが、次に、組合への入会への審査の体制について伺います。先ほど申し上げましたように、この組合に入会できない限りは、少なくとも昨年と今年に関しては、県発注工事の下請けには事実上、入れないということであったようであります。ですので、これまでの議論でも不良不適格業者の排除などの話がありましたし、県がそこのみに施工を限定しているということでしたので、入会の審査に県が何らか関与していると思ったのですが、入会のハードルについては、建設業法許可、新潟県内に事業所があるという形式要件以外は、組合の承諾を得たものということであり、県は審査に当たり、何らのかかわりもないということであります。また、営繕課長は、組合の全体として、ある程度、仕事を任せても大丈夫な団体と認識をしていると答弁をされており、保証期間があって、その期間内に工事に何らかの問題が発生したとしても、無償修理に応じてくれるから大丈夫というのは、私は公共事業の在り方として、少し無責任ではないのかなと感じているところであります。
 また、例えば、これまでにも議論させていただいていた、指名競争入札の指名基準などであれば、ある程度は、これは透明性のあるポイントに従って審査されていると思いますが、この特記に関しては、完全に入会の審査の段階からお任せをされているように感じております。地元業者が入りたいけれども入れないというような状況が起きていないか、あるいは適正な手続きによって審査が行われているのか。それらを踏まえて、どのようなチェックや審査を経て事業者の入会が許可されているのか分からない組合に、県が施工を限定するのは問題があるのではないかと考えますが、最後に知事の認識を伺います。

P.9 ◎答弁 花角英世知事

◎花角英世知事 県が入会に関与していない組合に施工を限定しているということの問題点等の御指摘でございますけれども、この組合は中小企業等協同組合法に基づく団体でございます。施工管理体制が確立されていて、施工後の保証について組織として責任を負う体制を備えているということで、これまで原則、組合員による施工としてきたところであります。これは先ほどお答えしたとおりなのですが、組合員以外でも品質の高い施工ができ、かつ施工にしっかりと責任を負うことができる事業者が存在することも十分考えられることから、そうした事業者も施工業者とすることができるように、先ほどお答えしたとおり、委員の御指摘のあったような問題点も含めて、今後、研究してまいりたいと思います。

P.10 ◆質問 諏佐武史委員

◆諏佐武史委員 今後、検討していただけるということなので、この特記の必要性、妥当性、そして知事がこれまでにおっしゃっておられた競争性、公正性、透明性の観点からの必要性という部分を踏まえて、改めて、時間をかけてでもいいので検討していただければなと思いますので、以上で終わります。

P.10 ○議長 小山大志建設公安委員長

○小山大志建設公安委員長 諏佐武史委員の質疑は終了いたしました。

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