日記

裏金問題 不起訴について

2023.05.26

2021年衆院選の際、「裏金を要求された」とする問題をめぐり、告発された当選挙区の前県議が不起訴処分となったことについて、複数の方から意見を求められました。

私が市議の時、議会で市見解を求め続けた2019年発覚の官製談合事件にも通じる点があることから、お答えした要旨を簡単にまとめます。対立するいずれの立場に与するものではないです。

①日本の刑事訴訟法は起訴便宜主義を採用しており(刑訴法248条)、検察官が犯罪の軽重を考慮し訴追するか否かを判断します。従って、刑法上の犯罪が行われたことが、仮に証拠によって明らかである場合でも起訴するか否かは検察官が判断します。

②私が市議会で質問した官製談合事件は、事件関係者の証言を綴った刑事確定訴訟記録によると、少なくとも75件以上の市発注工事の予定価格を漏洩したことが明らかでした。(75件以上を漏洩したという証言のほか、内部で「積算不可能」といわれていた工事価格を何回も連続でドンピシャ落札した記録等から)

しかし、起訴された漏洩はそのうちの3件であり、残りの少なくとも72件以上は不起訴となりました。

我が国の制度に関するものなので、この点について問題視するわけではありませんが、官製談合の追求をしている際、他の議員含めた多くの方から「司法によって決着がついた話を、いつまでも・・・」といわれたので、やはり制度がわかりづらいことから、大きな誤解があると感じていました。

③市議会における追及の趣旨は、新たな罪を暴くとかそういったものではなく、要するに「司法判断とは異なる視点から、証言等により明らかになった市の問題点を踏まえて、改善していこう」というものです。

当時の議長や、他の議員に対して議会外、百条委員会の討論等を含め10回以上にわたりこの趣旨を説明しましたがなかなか理解が得られませんでした。

④以上の視点からこの度の裏金問題を考えると、前県議が不起訴となったから「裏金要求はなかった」とか「問題はなかった」と考えるのは妥当ではないといえます。(前県議は、会見で「潔白が証明された」と言っていますが、多分、刑訴法を理解していないと思われます)

検察は不起訴理由を明らかにしていませんが、おそらく法益侵害の程度が低いと判断されたか、告発した代議士がコメントしたように前県議が県議選に立候補しなかった(できなかった)ことが考量された可能性があると思います。

⑤裏金要求の真偽は定かではありませんが、重要なことは、これまで私が市議会で訴えてきたように、政治&行政は「公正さ及び公正らしさ」を担保することにあると考えます。

少なくとも、明らかになった音声データを聞いて「裏金要求はあった」と多くの人が断定したことから考えると、司法判断とは別に、政治家の在り方としてはやはり問題があったと考えるべきです。

県政の文化及び体質改善は、大きな課題として取り組む必要があります。

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