日記

質問不許可の件について

2021.01.27

毎日新聞に続き、選報日本にも題の件が掲載されました。https://www.sejp.net/archives/5757

昨年9月定例会における

・一般質問不許可
・議長不信任動議
・百条委員会設置決議
・諏佐武史議員に対する問責決議

について、昨年末に全国紙で取り上げられたことなどから、他自治体の議員や、報道関係者、市民の方等から今でも大きな関心を持っていただいており、今年に入ってからもよく質問や意見が寄せられました。

以下に、いただいた主な質問と、それに対する回答を述べます。
(特に高度な内容は、専門家の意見に基づいて回答した。過去の記事参照)

①なぜ一般質問が不許可になったのか
・不許可通知によれば、令和2年3月・6月定例会において、関貴志議員と諏佐が行った「官製談合事件について」の一般質問が、逮捕された元市職員及び現市職員、その他事件関係者の供述が記載された刑事確定訴訟記録、いわゆる「確定記録」に基づいたものであった。
・議長は、同記録の取り扱いを、「閲覧者の義務」について規定された同法6条「みだりに用いて~はならない。」の規定に抵触するおそれがあり、9月定例会においても同様のおそれがあるため、質問を不許可としたと通知された。

②不許可理由に正当性はあるのか
・同法6条の制約について、議長と、関議員・諏佐はそれぞれ別の弁護士に見解を確認したところ、「みだりに」の意味は「正当な理由なく」の意味であり、少なくとも「議会における確定記録の引用は問題ない」という見解で一致し、①では不許可理由にならないことを最初に確認した。(不許可通知の趣旨は①だったが)
・刑事確定訴訟記録についての著書を発行している龍谷大学法学部の福島至教授も、不許可通知を確認したうえで「本件不許可行為に正当性はない」という趣旨の意見書を提出された。(詳細は過去の記事)

③「質問不許可」は許されるのか
・法律上は問題がない。地方自治法に、議員の質問権や議長の裁量権に関する明確な規定がないことから、議会の自治権に委ねられていると解される。(自治法は性善説に立っているため、と専門家の指摘)
・ただし、「議会制民主主義」という視点から考えれば問題がある。
刑事確定訴訟記録は公文書であり、公開されるべきものであるにもかかわらず、それを用いた質問が不許可となると、今後も公文書に基づいた質問が不許可となるおそれがあり、大変重大な事案で「民主主義の破壊行為」と専門家の指摘

④ではなぜ不許可になったのか
・わからない。
・昨年8月26日付けで、具体的な不許可理由等について議長に対して質問書を提出し、同月中の回答を約束されたが、いまだに回答がない。

⑤他議員の意見は
・いわゆる与党会派の議員からも、「議長の判断は誤りだ」という議員もいる一方で、「専門家の見解が分かれているのだから、議長の判断に従うべき」という議員もいる。
・しかし、争われた「確定記録の引用が6条に抵触するおそれがあるか」という点の見解について専門家の意見は分かれていないため、いったい何の見解が分かれていると主張しているのか不明。

⑥不許可に至るまでの経緯とは
まとめると、
・全会派から関議員・諏佐の質問に対して抗議(一問一答の質問手法、法6条に抵触するのではないか)
・関議員・諏佐から、専門家の意見を踏まえ、会派からの抗議に対し意見
(本件にかかるやりとりは、今後文書で行うと確認)
・議長から「やはり文書は出せない」といわれる
・質問通告を行うが、翌日、「確定記録を用いた質問を不許可」とする不許可通知を出される。諏佐の質問通告書記載のうち、11項目中2項目を除く質問項目は確定記録を用いないものであることを議長と確認したが、不許可通知

⑦議長不信任まで出す必要があったのか
・あった。
・②に述べたように、本件不許可行為は理由も併せ正当性に欠けることが明らかであるため
・これを認めると、今後も議長の意に沿わない質問は全て不許可になるおそれがあり、自由な議論ができなくなるおそれがあるため
・自治法上の違法といえなくとも、市民の負託を受けた議員の質問権を不当に侵害することは、議長裁量権の濫用というべき重大な事案であるため
・不許可に至る手続き及び協議において、専門家の見解を軽視し、議会運営委員会で諮ることなく独善的な判断で結論したことは、「議長公正指導の原則」に反すると考えるため
・本件不許可について、議会運営委員会で議長が事後に報告した際、質問不許可通知を我々に出したにも関わらず、我々の方から質問を取り下げたと、事実と異なる説明をされたため
・以上は、丸山広司議長が、今後中立・公正な議会運営を行っていくことができないという理由に足ると考え、議長不信任動議を提出した。

⑧問責決議を受けた理由は何だったのか
・上記⑥に述べた経緯と、それに対する私の評価・主観をフェイスブックに述べた。
・問責決議を提出した議員の意見は「経緯が事実と違う」「フェイスブック上の表現が無礼かつ不快」ということだった(詳細は長岡市議会HP)

⑨問責決議に対しどのように受け止めているか
・不許可に至る経緯についての記載が事実と異なるということについては、すべての証拠書類を付して全会派に配布しているため、どこがどのように事実と異なるか不明。また、それらの確認もなかった(議長にもなかったらしい)ため、せめて双方に対し事実関係の確認は必要だったのではと思う。
・表現云々の話については、決議文に「不快」「無礼」と感じた趣旨を書くことは適切ではないと思う。(フェイスブック上で私が「バカヤロー」とか「アホ」とか書いてたのなら理解できる)
・問責に対する賛成討論では、ほとんどが決議文と関係のない話になっていたため、問責をした本当の目的はよくわからない(詳細は会議録参照)
しいて言えば、一連の流れの中で「みんな諏佐の事を『一期目で若いくせに生意気だ』といっているよ」という趣旨の忠告が何度かあったため、原因はそこらへんにあるのではないかと推測している。

⑩議長不信任に対する報復と感じるか
・感じる。
・問責決議文と賛成討論はほぼ感情論に終始しており、なんの主張なのか不明であるため(長岡市議会HP参照)
・問責の対象となった諏佐のフェイスブック記事について、削除や修正の指示もないため放置しているが、なんの反応もないことから、⑧にも述べたように本当の目的はそっちかと思う。

⑪今後、議員活動がやりづらくなるのではないか
・そんなことはない。

⑫その後、嫌がらせなどは受けていないか
・問責が出された直後、問責決議を提出した会派名で、自宅周辺に私に関する怪文書が全戸に投函されていたということは聞いた(会派名、配布した議員名入りなので、怪文書ではないと思うが)が、それ以外は受けていない。
個人的な憎しみは感じない。

参考:さいとうゆたか法律事務所 斎藤裕弁護士意見書
   龍谷大学法学部      福島至教授意見書
   明治大学公共政策大学院  廣瀬和彦講師意見書
   毎日新聞 令和2年12月28日朝刊7面「市議会で質問不許可」
   新潟日報 令和2年9月17日朝刊長岡「一般質問の不許可 背景に」

以上です。

上記意見書の他、関議員及び諏佐の令和2年9月定例会における一般質問通告書、それに対する一般質問不許可通知、同定例会における会議録を見たい方は、連絡ください。

その他、ご質問やご意見があれば連絡ください。

以上 

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