令和7年12月定例会まとめ(柏崎刈羽原発について)
2026.01.07
再稼働の信の問い方、結論
花角知事は、過去二回の県知事選において「再稼働は、県民の信を問います」「不安が解消されない限り、(原発は)動かしません」と公約して当選しました。
令和7年秋に、県が行った県民意識調査では、県民の6割が現状において「不安がある」と回答していたにも関わらず、昨年十一月二十一日、知事は再稼働「容認」の判断を示し、県民の信は「県議会に問う」としました。
「信を問う」という表現は長く政治の世界で使用されてきましたが、その方法は例外なく選挙でしかなく、これまでの質問の中で、私は「信を問う手法」について確認を求めたところ、知事は「一般的にイメージできるものがある」と答弁しており、私は「一般的なイメージであれば県民投票か(出直し)知事選しかない」という趣旨で議論していました。こうした状況の中で唐突に知事与党・自民党が多数の県議会に諮るのは明らかに公約違反であり、民主主義・選挙公約のあり方そのものが問われる重大な問題になりうると考えます。
令和七年一二月県議会では、知事による再稼働「容認」判断の正当性を議会で判断し、「賛成なら『信任』、反対なら『不信任』して失職させてください」と議会の判断を事実上、求められることになりました。
しかし法律や制度では、議会による効力ある権限は「不信任」しかなく、「信任」の議決規定はありません。なぜなら、我々議員も含め公選の選挙によって選ばれた政治家は、当選することによって任期中は有権者の信任を当然に得ていると考えられるためです。
従って、知事選で「再稼働は県民の信を問う」と公約したのであれば、いわば二階建ての「信任」を得なければ再稼働はさせないと公約したことと同義です。 それはすなわち県民投票か知事選しかありません。
そもそも国会と異なり、地方議会は二元代表制(行政・議会が別の選挙で選ばれる)であることから、その「信」は有権者に問うのが当然であるべきです。
後述しますが、知事与党である自民党でさえも知事の論理破綻が明らかであると考えたからか、当初の知事の意に反し「信任」という言葉は最終的に一切使われませんでした。
話を戻しますが、「信任」規定がない以上、議会に対し「再稼働容認」判断をどのように問うのかという点について、知事は原発に関する広報費用3,142万円の補正予算の可決をもって県議会(県民)の「信」を得るとしました。
議会の対応について
再稼働容認すると判断を下した知事に対し、議会中、会派内でも対応を検討しました。
私も地元長岡で様々な方から意見をいただきましたが、「知事不信任決議案を提出すべき」という声が多数でした。
その一方で考えたのは、こちらから不信任決議案を提出しても自民党が多数であることから確実に否決され、その場合「(議会意思として)信任ということになる」と知事がコメントしていたこと等の理由から、会派として不信任決議ではなく、当該補正予算案に対し反対するという結論になりました。
報道によれば、自民党は我々反対派から不信任提出→否決=信任という予定だったようですが提出しなかったため、最終日の本会議で当該補正予算に「付帯決議」を付けて提案してきました。
その内容は、上述したように「信任」の言葉はなく、「知事職務を継続することに『是』を表明する」という程度のもので、議論は不十分、何も整理されないまま結論が出ることになりました。知事が議会に求めた知事判断の「信任」と、議会が付帯で示した「知事職務継続に是」は意味としても繋がらないと思いますが、知事は「信任を得た」としました。かなり強引かつ理解不能な進め方、解釈だと考えます。
知事の問題点
今回の知事による「信の問い方」の問題は表面に書いた通りですが、他にも「(県民の)不安が解消されない限り、再稼働はしません」という公約も反故にした点も大きな問題です。
昨年秋に県が実施した県民意識調査によれば、県民の6割が「再稼働に不安がある」と回答していましたが、知事は「原発の安全対策の周知を行うことで再稼働に対する理解が広がっていくと判断した」と答弁しました。
どう考えても、「現状においては民意形成が不十分であり、不安が解消されていない」と考えるべきところですが、今後「理解が広がっていく」というような思い込み、憶測・仮説のみによって判断するというのは、これまで長年にわたって県が行ってきた三つの検証、公聴会、意識調査、そして議会での議論は何だったのか、初めから再稼働ありきで進めて来たとしか思えません。
議会の問題点
今回再稼働に賛成した議員は35人でしたが、前回の県議選直前の新潟日報によるアンケートではそのうち20人が原発再稼働を「認めない」と回答して当選しています(認める3人、判断できない12人)。県議選前のアンケート通り議会で採決されれば、今回反対した議員16人と合わせ、反対多数で否決されていたはずです。
知事の公約違反も同様ですが、これが許されるのであれば選挙はできもしないことでも「言ったもの勝ち」になり、有権者は判断の材料を失います。
なお、長岡市・三島郡選挙区選出の県議は6人いますが、再稼働の賛否は
・賛成4人(安沢、高見、深見、荒木)
・反対1人(諏佐)
・欠席1人(柄沢)
でした。
まとめ
以上、令和7年12月定例会は「選挙公約とは」また「民主主義とは」深く考えさせられる結論となりました。
政治家は選挙の際、公約・政策を示し有権者がそれらに基づいて代表者を選択し、投票します。仮に、4年ある任期の中で政策が変わることがあったとしたら、堂々と理由を説明したうえで次回の選挙で有権者の判断を仰ぐのが正当なあり方だと考えます。
知事は知事選における選挙公約を土壇場で変節させました。そうであれば、「政治判断で政策、方針を変更した」というべきです。
再稼働に関し「職を賭して県民の信を問う」とも繰り返し述べてこられましたが、守られることはありませんでした。 知事判断の正当性検証は行っていくべきですが、同時に「原発のない社会」の実現にも引き続き取り組んでまいります。