長岡市議会議員としての活動実績

令和4年12月議会 建設委員会(路線バスキャッシュレス導入実証実験事業について、災害時の応急給水活動への備えについて)

2023.03.14

◆諏佐武史 委員  私からは、大きく2点について質問させていただきます。
 まずは、路線バスキャッシュレス導入実証実験事業についてであります。これは、令和3年3月の実験開始から約1年9か月が経過しておりますが、中央環状線くるりんでのキャッシュレス決済事業について、利用状況と今後の見通しについて伺うものであります。
 まずは、事業概要とICカード決済の利用実績について伺います。

◎近藤 交通政策担当課長  本事業につきましては、バス利用者の利便性の向上ですとか運行の効率化、それからコロナ禍における非接触型決済への対応を主な目的としております。令和3年3月20日から市街地を運行している中央環状線くるりんの専用車両にICカード決済システムを設置しまして、Suicaですとかりゅーとなど、いわゆる交通系のICカードによる運賃決済を導入したものです。
 利用実績については、くるりんの運賃収入に占めるICカード決済の割合を確認したところ、令和3年度はICカード決済が12.2%、現金が53.4%、回数券が34.4%でありました。令和4年度につきましては10月までになりますが、ICカード決済が16.4%、現金が56.3%、回数券が27.3%となっておりまして、ICカード決済につきましては令和3年度に比べまして現時点で4.2%上昇しております。
 市の受け止めでございますけれども、ICカード決済の割合が昨年度に比べて4.2%上昇して利用は増えているものの、現金や回数券による決済がまだ8割を超えていることから、ICカード決済の使用割合は低いというふうに考えております。主な要因としましては、利用者の利便性は上がるものの、運賃割引などのメリットがないことや、ほかに利用できるバス路線がないことなどが考えられます。また、平日は特に高年齢層の利用が多いという状況もございまして、キャッシュレス決済に対してまだ消極的であられる方がいることも一因としてあるのではないかというふうに考えております。

◆諏佐武史 委員  よく分かりました。
 この項目の最後に、対象路線の拡大など今後の見通しについてお伺いします。

◎近藤 交通政策担当課長  キャッシュレス決済を拡大することに対しましては、バス事業者としても正確な運賃精算ですとか乗降時間の短縮、それから利用データの取得など、メリットがあることは認識しているところです。その一方で、導入や管理に係るコスト面の負担も大きくなることもございまして、採算の部分も含めて慎重に検討していきたいというふうに聞いております。市としましても、そういったバスの利便性の向上ですとか利用促進の観点からもキャッシュレス決済の拡大は必要であると考えております。今後も引き続きバス利用者への周知ですとか、ICカードの利用促進に努めるとともに、また12月9日の議員協議会でも協議いただきましたモバイル乗車券の導入ですとか、バス位置情報システムながおかバスiの改善など、新たな技術を活用したサービスによる利便性の向上や運行の効率化について、引き続き事業者と検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

◆諏佐武史 委員  分かりました。
 次に、災害時の応急給水活動への備えについてであります。先日、市政だよりとともに配布された水道だより12月号に、日本水道協会中部地方支部が行った愛知県、長野県、新潟県の3県合同防災訓練に本市の水道局も参加したと掲載されておりました。電気、ガス、水道は市民生活に不可欠なインフラであり、これらの供給を維持することは事業者の大切な使命であると認識しております。実際に今年は村上市や静岡市などで災害に起因する大規模な断水が発生しており、多くの住民が不便を余儀なくされました。水の供給に係る災害への備えは、大変重要な課題だと考えます。
 そこで、水道だよりに掲載されていた訓練について、どのような内容であったのかお聞きします。あわせて、訓練を通して感じた本市水道局の課題などがあればお伺いいたします。

◎上村 業務課長  御質問のありました防災訓練は、全国の水道事業者で組織する日本水道協会のうち、本県のほか愛知県、石川県、長野県など9つの県で構成する中部地方支部の中で、3県合同により毎年開催しているものでございます。今年は、10月28日に愛知県岡崎市において、12団体、約150人が参加して開催されております。
 訓練の内容ですが、災害時の応援の受入れ、本部の運営、復旧活動、応急給水など多岐にわたっておりますけれども、本市水道局からは応急給水訓練に職員5人、2トン給水車1台の陣容で参加しております。訓練は、浄水場で給水車に注水した後、訓練会場に移動し、実際に給水袋への補給や住民への配布、避難所や病院などの受水槽に見立てたタンクへの加圧給水といった大変実践的な内容で訓練を行いました。
 今回の訓練を通じまして、いざというときに落ち着いて対処するためにやはり訓練を積み重ねることが非常に大切だということを実感すると同時に、市外、県外から応援に来てくれる他市の水道局職員へ的確な指示を行うための段取り、差配といったものに関わる訓練などについても必要性の認識を新たにしたところでございます。

◆諏佐武史 委員  分かりました。
 次の質問ですが、本市において大規模断水を伴う災害が発生した場合に、応急給水や応急復旧に関しては他市の応援を得て連携して対応するとお聞きしております。実際にどのような体制を取る計画になっているのかお聞きいたします。

◎上村 業務課長  仮に本市で災害が発生しまして市単独では応急給水や応急復旧などの対処が困難な場合、日本水道協会新潟県支部に対して応援派遣を要請するルールとなっております。ちなみに、新潟県支部は新潟市水道局が事務局を担っております。要請を受けた県支部では、被害状況に応じまして県内の水道事業者等に必要な数の給水車あるいは資機材、人員等の応援を指示することになります。指示を受けた水道事業者は直ちに応援体制を整え、被災地に向かうといった段取りとなっています。
 なお、県内の事業者では対応できない規模の災害が発生した場合は、1段上の中部地方支部、事務局は名古屋市上下水道局となっておりますけれども、この調整の下で中部地方支部に属する9つの県の水道事業者からも応援を得られる階層的な構造を取っております。さらに、状況に応じては全国から応援を得られるバックアップ体制が講じられております。実際に平成16年の中越地震の際は全国の水道事業者から多大な応援を得ておりますし、熊本地震の際には本市水道局からも復旧活動の支援に向かったという実績がございます。

◆諏佐武史 委員  分かりました。
 最後の質問ですが、今年8月に新潟県の北部で発生した豪雨災害では、本市からも村上市に対して給水車を応援派遣したと聞いております。本市では、応急給水に備えてどのような資機材を保有しているのか、またどのような訓練を行っているのか、災害への準備状況について伺います。

◎上村 業務課長  本年8月3日に発生した新潟県北部豪雨による災害では、本市水道局から7日間にわたり、職員5人と2トン給水車1台を村上市に派遣し、駅前や学校、公民館などで応急給水活動を実施しております。
 御質問の資機材につきまして、現在長岡市水道局では、加圧式の給水車4台、現地に設置する給水タンク22基、給水袋約8,000枚などを保有して、市内あるいは他市で災害があった場合の応援に備えております。
 訓練につきましては、毎年職員を対象に給水車の運転、操作方法の研修会を実施しているほか、日本水道協会新潟県支部や近隣市町村の間では衛星携帯電話等を用いた情報伝達訓練なども実施しております。また、本年8月に開催された長岡市総合防災訓練に参加し、実際に避難場所と想定される場所で避難者に応急給水を行うなど、機会を捉えて積極的に訓練を重ねております。

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